奉子です。私は最初に入社した会社で10年弱在籍し、その後、他の会社で働いてみたいと思い転職しました。
しかしその2番目に入社した8か月後から、約1年半、毎日注意を受け続けるのです。
同じことで何度も注意されることはなく、毎日違う何かの指摘があるのです。
当時の私は、本当に「私は一生懸命やっているのに、何が悪いの?」と思っていました。
今ならわかります。
本当の意味でのホウ・レン・ソウがわかっていなかったからです。
今日は、具体例も挙げながら、「ホウ・レン・ソウ」についてお話ししたいと思います。
「報告・連絡・相談」の定義は
■報告
報告とは、上司からの指示や命令に対し、部下が経過や結果を知らせること。
報告をするのは、部下から上司へ、あるいは後輩から先輩へ、という流れになります。
■連絡
連絡とは、簡単な情報を関係者に知らせること。
そこに自分の意見や憶測は入りません。
また、上司や部下にかかわらず、誰もが発信側にも受信側にもなります。
■相談
相談とは、判断に迷う時や意見を聞いてもらいたい時などに上司や先輩、同僚に参考意見を聞き、アドバイスをもらうことです。
ではこちら、仕事で、具体的にどのように使っていけばよいのでしょうか?
ホウレンソウの前には組織あり
私の最初の会社の営業事務の経験が、少し特殊だったと今ならわかるのですが、仕事は基本「組織」です。
「上司を中心に、チーム全員で社内の他のチームや社外のお客様のために、会社がもっと良くなるように、お客様にももっと喜んでもらえるようにみんなで一丸となって行動すること」なのですが、
ここで、大事なのは、「自分は組織の一員であるので、自分ひとりの判断で勝手に行動してはいけない」という前提があります。
例えば、自分のミスで、発注を間違え、お客様からクレームの電話が入ったとします。
これはすぐにでも代品の手配をしなければ、と思い、自分で他部署に電話をかけ、「私がミスをしてしまったので、代品お願いします」と言ったとします。
お客様には無事、商品が届くかもしれませんが、これ、アウトです。
なぜ、アウトなのか。組織を無視したからです。
正しいやり方はこうでした。
ミスが発覚→上司に「ミスをしました。どうすれば良いでしょうか?」と報告。
→上司自身が他部署に依頼をする or 具体的に担当者へ他部署依頼を指示、
→上司の指示で次の具体的な解決方法を図る
組織とは
- 同じ社内であっても他部署へ何か依頼するときは、上長が依頼 or 上長の指示で行う必要があり
- 上長が、その部署で今起こっていることをすべて把握する必要があり、
- 自分のやっている業務の内容だけでなく、進捗具合、その所員それぞれの勤怠管理
- 起こってしまった悪いこと、or こうしたらもっと良くなるかもという提案も
すべて、上司の許可の元、各人は遂行する必要があるのです。
自分が他者に業務関連のメールを送るときにCCに上司をメールを入れる必要があるのは、この上司が部下が他部署に対してどういう依頼をしているか、どういう業務を遂行しているか、把握するためです。
決して、その人の仕事が悪いから監視するというわけではないのです。
つまり、上司に何の断りもなしに、自分の判断で行動するということは、全てアウトになります。
それがたとえ、お客様のためであってもです。
たとえば、無理難題をいうお客様がいて、「まあ私ができるからいいか」と受けたとします。
しかし、それがきっかけに、その人が自分以外の人もその無理難題を言ったとしましょう。
自分が上司の断りもなしに勝手に受けたその無理難題が、お客様には「みんな、いえばやってくれるんだ」になってしまう恐れがあるのです。
上司の許可で、「今回だけやってもいいよ」なら受けてもよかったかもしれません。
しかし、自分の判断でやったがために、チームのみんなに迷惑をかける恐れもあるのです。
それこそ、組織を無視です。
実は、私の最初の会社というのが、これに反して特殊でした。
私が最初に入社した会社の、私が所属していた業務部に関しては、実務をする人それぞれが、その実務関係の部署にはそれぞれに連絡を取ってよいことになっていたのです。
上司には、本当にその業務で自分が解決できない困ったことがあったときのみ、伝えて指示を仰げばよかったため、私自身も同僚に聞いてわからなかったことは、他部署に自分で普通に聞いていました。
これで、ダメだとは言われていなかったため、転職したときに痛い目にあったのです。
私が注意された具体例の一部をご紹介
私は2社目で1年半毎日叱られ続けたのですが、ホウレンソウ関係の注意の具体例をご紹介します。
- 他部署から来ていたメール(自分も含めて部署の人全員宛)に疑問を持ち、その部署に「このメールなんですけどお伺いしたくて」と上司の許可なく、電話(報告・相談漏れ)
- 同事業所内の隣の部署の人に「手、空いているようなら手伝ってくれませんか?」と言う(依頼可能か相談漏れ)
- どうせまたかかってくるだろうと思い、他部署から連絡があったことを伝えない。(連絡漏れ)
- 自分がミスしたことを、怒られる前に自分でなんとかしようとし、上司に相談せずに行動(報告・相談漏れ)
- 指示された仕事の進捗具合を報告しなかったこと(報告漏れ)
- フレックスで早く帰るときだけでなく、早朝1時間早く出社することを上司に伝えなかったこと。(その日上司は休みで、後で勤怠確定のときに上司から指摘)(連絡・相談漏れ)
これらはの注意は組織およびホウレンソウが理解できていたら、注意はされなかったことでしょう。
ホウレンソウの目的。それはみんなが仕事を円滑に回し、最終的にはお客様に喜んでもらえる仕事をするため
「報告・連絡・相談」と一言で言っても、その伝えるタイミングやスピードが大事です。
連絡方法も口頭やメール・文書その時々で選ばないといけません。
内容によっては上司だけでなく、所員全員がその情報を共有すべきものもあります。
仕事はチームみんなで行っています。
自分がわかっていれば良いでは済まされないことが結構あります。
所員全員に伝えないといけない事項を、知らなかった人がいたために、その人の仕事でミスが出たとしましょう。
これは具体的なミスをした人のせいではありません。
全員に伝わっているのか、確認を怠ったチームの責任です。
自分だけしか、関係ないと思っていても、実は同じチーム内、どこかしら関わっていることは多いです。
こんなこと聞いたら恥ずかしいと思うことでも、疑問に思ったら、同僚や上司に相談すべきです。
その聞いたことで、思わぬミスが防げるかもしれないのです。
「なんか、気になるけど、まいっか」と思って、そのまま進めた結果、大きなミスにつながることはよくあります。
逆に、今やっている仕事、こうすればいいんじゃないの?と思えばどんどん相談して、提案してみる。
そのことが実はそれが目から鱗の発見で、みんなが残業が減ったり、前より業務が進めやすくなり、結果的に、お客様に喜んでもらえることもよくあるのです。
ホウレンソウでもやっぱり大事。他人を思いやる気持ち
いろいろな報告・連絡・相談は伝えて終わりではありません。
その自分の伝えたことがきちんと、その方に正しく伝わっているのか、誤解されていないのかを確認する必要があります。
自分の言葉足らずで、全く自分の意図とば別の意味でとられることはよくあります。
伝える場合のポイントは「わかりやすく、手短に」ですが、
それにプラス大事なのが
ここでも大切なのはやはり、他人を思いやる気持ちです。
自分の視点ではなく、読み手、聞き手の気持ちや様子を想像しながら、言葉を発する。
そしてまた、今は相手は話が聞ける状態なのか。
伝えた後も反応により、本当にその言葉で自分の意図が伝わっているのかのかも確認する。
よくあるのが、メールを送ったので、相手が読んでいるだろうと思いきや、メールに気が付いていなくて、大事なことが伝わっていなかったというパターンです。
すぐにはできないかもしれませんが、ホウレンソウがうまくいくと、結果的に上司も部下も同僚も後輩も意思の疎通が上手くいき、自分自身も仕事がしやすくなる上、部署全体の仕事が円滑に回っていきます。
そして、ホウレンソウは職場だけに限ったことではありません。
生きていくために必要な、大切なコミュニケーションスキルです。
報告しないこと。私の勘違い
私はホウレンソウをたたき込まれた前職の時に、「自分が他の人より進捗が遅いこと」をひけめに感じて、進捗具合を報告できませんでした。
遅いことに怒られると思ったのです。
しかし、その考えは間違っていました。
上司は言いました。
「時間内に終わらせなきゃいけないから、遅いことに怒ってると思うかもしれないけど違うの。
どれぐらい進んでいるか知って、他の手の空いている人メンバーに手伝ってもらうと思った。時間内に終わるようにチームを調整するのが私の仕事です」
そのときは、毎日怒られすぎて、ちっともわからなかった私ですが、退職して数か月してその意図がわかった私は、今の職場ではこうしています。
「この仕事、私がやると時間かかりますけど、やってもいいですか?」
「〇〇と〇〇の急ぎの依頼があって、そちらを先にした結果、朝朝礼で言っていた予定の仕事は全くできませんでした。」
「〇〇で私の処理ミスが発覚しました。申し訳ありません。関係部署の対応方法は〇〇でよかったでしょうか?また、該当者には私から謝罪しておいてよろしいでしょうか」
つまり、自分で処理方法を知っていても、上司にあった事実をすぐに報告して、自分が〇〇を処理したということも含め、きちんと上司に知らせて行動しています。
こうすれば、上司は今、部署に起きている問題や、依頼事項は何なのかを考え、他のメンバーの仕事も含めて、優先順位も把握できるのです。
前職の経験は宝です。
毎日、注意され続けた時は本当につらかったですが、こうして自分でその意図が理解でき、実践できるようになったことは、その注意し続けてくれた上司のおかけです。
決して憎いから、注意しているのではありません。
人を叱るのも本当に労力がいることで、決してやりたいわけではないのです。
自分に耳の痛いことでも、注意してくれる人は、自分をためを思っていってくれているのです。
今、毎日楽しく仕事をしていられるのも、前職でたくさん学ばせていただいたからだなと心から思う今日この頃です。