奉子です。ここ最近何度か書いている<初めての後輩教育係>シリーズ。
突然気の知れた同僚が、二人同時期にいなくなり、私自身も不安でいっぱいの中、3月末に突然実習生がやってきて、本当に「どーしたらいいのよーー(>_<)」という状態で、1ヶ月ちょっとが過ぎました。
もともと、同僚のサポード業務、or 私がひとりでやって完結する仕事がほとんどだったため、私と直属の上司はそこまで大きく直接関わることはなかったのです。
しかし、同僚たちの退職、休職により、同僚が元々持っていた仕事は、手続き関係を除き、私と上司のふたりでほぼほぼシェアすることになりました。
その結果、常に直属の上司とふたりで連携をとって仕事をしないといけなくなったため、今までは同僚に聞いていた上司の短所を「ああ、こういうことか」と実体験としてわかるようになってきました。
さらに後輩ができたことで、過去に自分自身が上司や同僚から注意されたことを振り返ることもでき、「あ、確かに注意されるな」と思うこともたくさんありました。
今回は、後輩教育係初心者の私が考える、「めざしたい上司像」について書いてみたいと思います。
2017年4月30日放送「TV朝日しくじり先生~江本孟紀氏 編」でお話しされていた上司の性格タイプ
江本孟紀さんといえば、1970年~東映フライヤーズ→南海ホークス→阪神タイガースと活躍した投手で、1981年の選手絶頂期に「ベンチがアホやから野球がでけへん」と発言したのがきっかけで、現役を引退。
それでも現役生活11年で100勝している、かなり素質の高い選手。
そのまま残っていたら、ものすごい記録をどんどん打ち立てただろう投手です。
しくじり先生では、江本さんが大学時代から、上司に対して、陰口や面と向かっても含め、はっきり物を言いすぎた結果、夢を諦めてしくじってしまった先生という感じで登場していました。
江本さんは「ベンチがアホやから」の発言が有名すぎて、その言葉を言った背景とか真意とかそういうことは世間はあまり知らなかったと思いますが、今回のしくじり先生はその真意が深く、最後は「嫌いな上司と10倍楽しくつきあう方法」にまで結びついていました。
江本さんが話していた上司のタイプとは
- ワンマンタイプ、(自分の言うことは絶対。俺に刃向かうヤツは全てアウト)
- 決断力のない、優柔不断タイプ、(ピンチになるとベンチからいなくなったらしい)
- 話を聞いてくれる理論派上司、褒めて伸ばすタイプ(しかし私生活に問題が・・・)
なのですが、江本さんは大学時代、これらの上司にはっきりものを言い過ぎた結果、レギュラー外されたり、トレードに出されたり、引退に追い込まれたりしたわけですが、これってこの上司に当たる人から見れば「痛いところを突かれて、ある意味当たったいる」わけです。
上司からすれば、「嫌なことを言う目の上のたんこぶ」だから、受け入れられないんでしょうね。
また、江本さんは番組の中で「嫌いと嫌いの両思い」という言葉をおっしゃっていました。
自分が嫌いだと思った相手には嫌いという思いは必ず伝わること。
また、嫌いな人ほど、嫌いな面ばかり見る一方通行になってしまうこと。
嫌いという思いはその人の良い点も見えなくするということです。
その点は江本さんも反省点として語っておられました。
最後に嫌いな上司と10倍楽しくつきあう方法として
「嫌いな上司ほど、自分から挨拶に行こう」という結びでした。
「嫌いと思っている人は相手も自分が嫌われているのはわかっているので、少しでも距離が縮まると嬉しくなる」だそうです。
私が思う、なりたくない上司のタイプ。一言で言うと「空気読めない人」
江本さんは人間タイプを3つに分けましたが、江本さんは野球選手なので、上司と部下といっても、野球選手のやることは決まっています。
一般の会社の、多種多様な人種が一緒に働くという場所とは、ちょっと違う気もします。
私はこのタイプにもうひとつ付け加えたいタイプがおります。
- 自分の体験した立場しか、理解できない、視野の狭いタイプ
- 自分の部署は、「部下の見えない付加価値によって回っている」という認識が薄く、部下への評価を表せないタイプ
- 部下を動かすのは上手いが、自分自身は行動に消極的で、切羽詰まってから動くタイプ。
- 自分は仕事はできるばかりに、できない人の立場が理解できないタイプ
- なせそうなのか、その指示をしたのが目的を説明してくれないタイプ
こちらについて説明を加えたいと思います。
この4つ、一言で言うと「人間観察が下手な人で、視野が狭く、そもそも、いわゆる上司の器でない」というタイプです。
ざっくり言うと「空気読めない」人です。
まず誰でも、自分の体験した立場しか理解できないというのはあると思います。
子どものときは、もちろん他人の気持ちが分からない場合も多いので、知らず知らずのうちに思ったことをはっきり口にして、誰かを傷つけてしまうということはよくある話です。
しかし、年齢を重ねるうちに色々なタイプの人と接するようになり、こういう立場の人もいるんだなあということが知識として増えていく。
さらに年齢を重ねれば体験していなくても、色々な立場の人から話を聞いた結果から総合して、それぞれの気持ちというのが、なんとなく理解できるようになってくるはずです。
4の自分は仕事ができるばっかりに・・は自己肯定感の低い部下に対して、「誰々はできるのにあなたはどうしてできないの?」とか人と比べる人です。
ちなみに、江本さんの言うワンマンタイプは「人前で怒鳴る」とかもありますよね・・
人前で怒鳴るって、いくら怒鳴られた本人が悪かったとしても、本人以外の人も含め、場の空気が悪くなるのが想定できないのかしらっって思います。
しかし残念ながら、いくら口で説明しても理解できない人というのは、いるものなのです。
数字の上げられる営業マンは観察力の優れた人かも
昔と違い、最近は物はあふれています。
皆さんは何を基準に物を購入されますか? 安い物?品質?色々あるとは思います。
最近は付加価値の時代といわれています。
ただ、依然と違って、ただ「同じ品質の製品で安い」だけでは人が動かなくなっています。
お客様にとって良い営業マンって、どんな人でしょうか?
1円でも安く売ってくれる人でしょうか?
私はちょっと違う気がします。
他よりちょっと高くても、自分がほしい何か(つまりかゆいところに手が届く)サービスをしてくれる人だと思っています。
商品の値段はもともと、その製品に携わった同じ会社の仲間の労働の苦労も含めて作られた値段です。
値切られて値を下げることがお客様に喜んでもらえる一番のことだと思っている方は「自社の商品の価値を下げていること」になると思いませんか?
お客様にとってはそりゃ、安い方に超したことはありません。
しかし、値段を下げなくても「お客様が求めている真のものが何かがわかれば、きっと人は物を買いたいと思うはずです。
そう、できる営業マンって、観察力が優れていて、お客様の発言の真意、ほしいものを引き出せる人だと思っています。
数字で現れにくい部下の付加価値見ていますか?部下への評価、対価として示していますか?
さきほど、数字を上げる営業マンの話をしましたが、空気が読めないタイプの人って、どちらかというと、人間観察が下手なので、お客様に喜んでもらえること=値下げ以外は思いつきにくく、値段を下げてしまい、結果的に会社の利益も減らしてて成績が上がらないって人だと思いませんか?
もし、こういうタイプの人が会社で「営業はダメだから、管理部門に行け」と言われ、元々人当たりが良いという理由で、管理部門の上長になった場合、どうなるでしょうか?
私はこう考えます。
管理部門は営業とは違い、数字では表れにくい部署です。
そのため、管理部門の場合、そもそもその人の最初がどんなで、どんな努力をして今のものができあがっているかとか、仕事時間以外でも自己研鑽に時間を使っているとか、他の同僚同士でどう助け合っているかとか、大きな結果に至っている等、ひとつひとつの過程も含め、観察する必要があると考えます。
確かに、仕事は結果を出さずにただ、「一生懸命やった」だけでは評価されません。
目に見えるのは「クレームなく、仕事が期日通りに終わって、残業なく、時間通りに終業できているか」かもしれません。
あなたは部下が、どれだけ部署内で「かゆいところに手が届く動き」をしているか感じているでしょうか?
簡単な仕事しかしていないように見えても、その方の動きが、ものすごく重要だったりすることってないでしょうか?
ただ、上手く仕事が回っているという結果には所員の個々の努力があり、部下はその人による頑張りの大きさを「ちゃんと見ている」と伝え、仕事なのだから、その努力を対価(お金)として表してほしいというのが部下の本音です。
人間観察の下手な上司は、そもそもここができないため、「上司は私たちのことをちゃんと見ていない。評価されない」と感じる部下が多いのです。
理想の上司がいないと嘆かず、上司の短所も理解してチームを回そう
ここまでの話を総合すると
「他人の立場を考えながら発言でき」+「自分の考えを押しつけず部下の話を聞く」+「部下の意見も取り入れる」+「決断力のある」+「責任感の強い」
を併せ持った人が理想の上司かなと思いますが、はっきり言って、これを全部合わせて持った人は、なかなかいないはずです。
そう、自分自身も含めて、完璧な人はなかなかいません。みんなどこかが欠けています。
世の中にはいわゆる上司の器ではない人が、年齢が上がってきたばかりに、上司になっている場合もたくさんあります。
上司が嫌で、欠点もカバーしながらチームのためにと頑張っていても、あまりにも上司の欠点の方が大きくかばいきれなくて、ある日突然限界点を達することはあります。
そういう場合は、辞める選択肢もありだと本当に思います。
また、上司や組織に従うのが嫌なら、もう自分が経営者になるという選択肢も良いかと思います。
自分がされて嫌だったことは部下にはしない。
今まで、部下しかやってこなった私が、今初めて人を教える立場になりました。
私ができることは「今までの上司にされて嫌だったことを、部下にしない」ということぐらいです。
過去の「まわりが忙しくて、自分だけがとにかく放置されて嫌だった」経験から
「部下の様子はよく見て、上手くいっているかどうか見る。また部下の長所や短所は見極める」という人間観察を重視しています。
会社に慣れるまでは、ここでやっていけるか、仲間として認めてもらえているかも不安なので
「助かった。いつもありがとう」とマメに伝えるようにしています。
いくら、部下のできる仕事が少ないと言っても、1日同じ種類の物だとモチベーションも下がるといけないので、
「種類の違う仕事を1日の間にお願いできるように、自分の仕事も考え、動いています」
さらに同僚が上司と+派遣社員+実習生になったので
最近やってきた2人の意見を取り入れ、かつ、上司のことを理解する部下として、上司のサポートもしております。
最近やってきた人の意見って、本当に重要です。
私もこの部署で2年以上になってきたので、今までいた慣れた同僚と一緒に仕事をしてきたため、感覚的なところも多かったのです。
ところが、ファイリングの一つをとっても「ここなんでこうなの?わかりにくい」というフレッシュな意見は本当にハッとします。
こういうことが、業務改善に連なっていくと本当に思います。
今の私の目標。背中に目がついているといわれるようになること
私も含め、完璧な人間はいません。
前回の記事で、私の短所と実習生の長所が上手くかみ合って、上手く仕事が回っているという話をしましたが、上司の欠点も含め、お互いがそれを認めた上で、部下、上司がみんな協力して補えて、初めて部署として強くなる気がします。
よく、個人ではみんなとても仕事ができるのに、成績が上がらないというチームの話をよく聞きます。
これってある意味、チームとしての長所と短所のすりあわせができていない、意見を取り入れていない。
つまり、組織としての仲間意識が弱い結果、みんなバラバラで、まとまってないって事なんだろうなあと思います。
私は自分の長所として、「人が好き」というのがあります。
残念ながら、↑の江本さんの話のように私には「嫌い」とはっきり言える上司はいませんでした。
そのため、わりと自分と違う立場の人の意見も聞いて、自分の中に落とし込み、参考にしようという気持ちが強いです。
人自体が好きなので、少々頑固な正確な人間でも「こういうタイプね」と素直に受け入れられ、対処法も持ち合わせています。
どちらかといえば不器用で、ついこの間まで仕事の基本もわからず、上司に怒られまくっていた私が、人を育てる立場になりました。
「人が好きで、誰の意見でも受け入れやすかった私」だからこその一番の強みは、
人の意見を反発せずに聞き入れ、人の長所や短所を見極め、長所は引き出して伸ばすってことかなと思っています。
これにNLPで学んだ、観察力が付けば、理想の上司にまた近づけるかもしれません。
まずは「背中に目がついているのか」といわれるぐらい、自分の仕事をしながら「部下に見てもらえてるな」と感じてもらえる上司を目指したいと思います。