奉子です。最初の会社に10年弱勤務の後、障害者といえども正社員。「求められることも、給与も全て平等」の会社で2年半在籍しました。
しかし、自分自身の求められる立ち位置が、それまでと会社とは全く違う高いものだったので、心身がついていけなくなりました。
私をよく知る周りの友人や家族が、私の言動や姿があきらかに通常と違うので「そんなに頑張らんでいい。もう辞めていいやん」って背中を押され、仕事を退職を決意します。
今でもこのときのことは、自分でも「私は社会に適応できないダメ人間なんじゃないか」と思うのですが、先日友人が紹介していたあるサイトを見て、「ガッテン!」してしまったのでご紹介したいと思います。
今日はここから、どうして今の会社で楽しく働けるようになったかも含めてお話をしたいと思います。
なるほど!人間にはふたつのタイプがいるのか「心屋仁之助さんの前者後者論」
私の友人が貼っていたリンクは心屋さんの記事にたいして書かれたmihokumadokaさんのブログなのですが、簡単に言うと人間には「力配分を上手く分けて同時進行で上手くやるマルチタイプ(前者)と、とにかく、言葉をそのまま受け取る、集中型(後者)に分かれる。
この話のもと、心屋仁之助さんのblogはこちらです。
mihokumadokaさんのブログの言葉をさらに引用させていただくと
「大人になりたくて、大人になれた人」と、「大人になりたくて、大人になれなかった子どものままの人」
(中略)便宜上、先に書いたものを前者、後に書いたものを後者として分けた代名詞が、そのまま前者・後者という名称になりました。
まあ、この文がある下にある、可愛い絵の説明である「Aという同質同量」の仕事をやるとしたら、ふたつのタイプでどういう違いが起きるかが上手く図解してあるのですが、笑えます。
これがもう「前職の上司は前者。そして私は後者」と全く違うタイプだったわけです。
そしてmihokumadokaさんのブログにも書いてあるように、後者は前者に怒られまくるという図式があるように、私は1年半以上毎日怒られ続けたわけです。
mihokumadokaさんのブログにもあるように、世の中にはこのふたつの人間のタイプに分かれていて、社会ではマルチタイプの人間が良しとされている。
自分はどっちだということを知るだけでも生きやすさは違うなあと本当に思いました。
心が疲弊した私に、転職エージェントさんは優しかった
自分は逃げたんじゃなかろうか?こんな形で辞めて、次の会社で果たして上手くいくだろうかと思い、最初の会社を紹介してくれた転職エージェント「ゼネラルパートナーズ」さんに駆け込みます。
京都の独身時代から担当さんだったエージェントさんが、そのときは現場ではなく、上の立場だったのにも関わらず、私の前職での話を聞き、「奉子さんだけ私にやらせてください」と申し出ていただいたのです。
この方、こちらの話で書いた私が最初の会社で仕事の楽しさを見出す前に、このエージェントさんに駆け込んだ時に
「『今の仕事でこれを学んだ』ってことを言えないと他の会社に行っても同じだから、もうちょっと考えて見て」と厳しくも背中を教えくれたエージェントさんです。
エージェントさんは有能だった。
この頃の私はかなり自分を否定していた部分もありましたが、最初の会社・2番目の会社での職務経歴書を合わせ見た上で、
さらに私のこの発言
前職で「同じことで注意されることはなく、高い目標に向かって毎日走ったけどダメだった。身体が悲鳴を上げてしまったから、そこまで高い給料でなくて良い」
といった私に、「社風が私に合う」を一番に営業さんからの情報をフル活用して、応募する会社の提案をくれたのです。
つまり
最初の会社「社風はとても合ったけど、仕事は補助の補助」。2番目の会社「仕事の基本は叩き込まれ、能力はかなり上がっているけど、性格と社風が不一致」
という図式がエージェントさんにあったんだと思います。
転職2回目は自分も相手をよく観察。本当に合う会社を見つけたい
就職の時にある「自己PR」自分の経験から、「私は粘り強いところが長所です」とか言ってませんか?
まあ、私もそうだと思ってました。それが正しいと。
しかし、受かる会社って「自分の話した何かのワード」に食いついて、そこについて詳しく聞いてきたりしませんか?
転職だと、職務経歴書の「ここの会社のこの仕事で経験したことについて詳しく聞かせて」と言われたりします。
逆に面接で、落ちるなと思う会社って、自分がここは詳しく喋れると思うところに全く食いついて来ないです。
つまり、その時点で「あ、この会社は私みたいなタイプは求めてないな」ってわかるのです。
会社には社風や求めている人材があります。
私の2番目の会社の時にあるように「大人しい、冷静に理論的に仕事をするタイプ」が人材として求められる会社に、私のように「元気で、思ったことを素直に受け取る直感人間」は合わないわけで・・・
面接はお見合い。落ちて当たり前。
会社の求めている人材は会社のHPとか隅々まで見て、自分がこの会社でこういうことなら自分を生かせるなというところが見えると、そこをアピールすれば良いとは思います。
しかし、結局は就職の面接ってお見合いと同じだなってつくづく思います。
お互いの求めているものと違う場合はやっぱり落ちます。
特に35歳過ぎてからの転職の場合は、本人の能力とは別に「年齢のつり合いが合わない」という理由で結構落とされます。
一般的に35歳過ぎるとみんな役職があるものなので、キャリアをもって転職するのが理想です。
しかし、単に障害者というだけで、何も特殊能力がない、一般社員だと「年齢上なのに、上司が年下」ということもあり、その場合はつり合いが悪く採用しにくいのです。
2回目の転職の時は、職務経歴書もそれなりだったので、書類は通るのですが、面接ではなかなか通りませんでした。
私はそして面接時に「質問ありませんか?」と聞かれるときに面接官の方に「御社でお仕事されていて、一番大切にされていることは何ですか?」と聞いていったのを覚えています。
その会社の上の人の考えとかが自分の気持ちと一致しているかなってことを確認したかったからです。
何社目かの面接。面接官「合わなかったら異動すればいいし」
私は、前職の庶務という仕事で、上司より「あなたはこの仕事向いていない!」とはっきり言われてしまったので、庶務と同職種の人事総務の仕事にトラウマがありました。
そのため、ある会社の面接のとき、面接時に「人事総務」で募集が来ているのにも関わらず、話の流れで「できれば営業事務に行きたい」と言ってしまうのです。
しかし、この面接官。その日、数名の障害者と会った中で最後が私。
「今日会った中で、あなたが一番元気やし、自分のことちゃんと言うし、年齢的にもちょうどよいし、何よりあなたみたいな元気な人じゃなとうちの社風に合わないから」
という理由でその場でいきなり「採用したい」の話になるのです。
そこで、「ほんとは人事の募集だし、あなたの経験は人事にかなりほしいけど、営業事務の部署に聞いてあげるわ。まあすぐにダメでも人事に来て。途中で部署異動できるから」とまで言われ、今の会社に入社することになるのです。
希望して入った営業事務。のはずが全くイメージと違った。
とても良い人事担当者で、結局希望通りの営業事務配属になります。
しかし、システム的にもアナログで、マニュアルも確立されておらず、前職とあきらかに違うものでした。
さらにスピードも求められました。
つまり私には一番ダメなタイプの仕事でした。
つまり、「営業事務」と一言で言っても、全く別物であるを知ったのです。
結局私は「営業事務」ではなく「輸入事務」の補助をメインですることになるのです。
前職で、「あなたは無理。向いていない」と切り捨てられた庶務の仕事。
今の会社で、人事総務の募集だったのにも関わらず、それがトラウマで営業事務に行った私は、そこでも違いに衝撃を受け、今まで経験のない「輸入事務」の補助のお仕事をします。
入社したころは景気が良く、補助の仕事だけでもたくさんあったのですが、1年後・・、円安の不況で輸入事務の仕事は激減。
仕事はどんどん減り、放置され、また精神的に追い込まれていったのです。
輸入事務以外にも、営業事務のチーズ発注等の仕事もしていましたが、これもかなり苦労しました。
マニュアルも何もない中で、要領のよいやり方を見いだせずに仕事をし、「私は給料泥棒じゃなかろうか」と思う、悶々とした日々を過ごすのです。
あんなに怒られていた私が・・・なんと今は人事総務
そんなときに、社内公募で突然"「人事総務」で人が足りないから異動したい人募集"の案内がありました。
2年もいれば、ここの会社の人事総務の色もわかってきます。
「あなたのような元気な人がほしい」と言われて入った会社です。
入社してちょうど2年。この会社で私のキャラクターが人間否定されたことはありませんでした。
「ここの人事なら、前職のようなクレームはきっと出ない。
そして私は前職で学んだことを基本にすれば自分を生かせるかもしれない」
そこで私は、その社内公募に、勇気を出して応募するのです。
そして、入社して2年2か月で「人事総務」に異動し、今は毎日元気に働いています。
前職で、あんなにできないと毎日怒られていた私が、いつの間にか、あの怒られていたことが全て糧になって、身になって自然と動けるようになっていました。
つまり、
あの怒られた経験は、単なる怒られたではなく、実は時間をかけて理解し、無駄ではなかったのです。
今ではクレームどころか、会ったことのない他部署の人たちに、「あなたのような人が人事にいてくれて、僕らは仕事がしやすい。ありがとう」
と言われるようになりました。
最初は簡単な仕事だけだったのが、この2年でどんどん仕事が増えています。
本当に、3年前、あんなに怒られていた自分が嘘のように、毎日仕事は忙しいながらも、楽しく充実しています。
仕事で、楽しいと思える日々が来るなんで、本当に思ってもみませんでした。
最初の話で言うと、私は集中型の後者で、社会で求められ、重宝されるマルチタイプではありません。
それでも、それが求められるとわかったおかげで、
「自分で同時に上手く仕事を回す、力の加減を分散する、他の人ならどうかなという視点を持つように努力する」を仕事の間だけでも努力でできるようになった。
ということなのです。
元々が集中型なので、今でも「あっ。またやってしまった」と仕事の段取りを狂わせることはあります。
しかし、自分を知ることができたおかげで、仕事は仕事の時間。
家に帰れば、自分のやりたいことを集中してやるというONOFFの切り替えができ、心は常に保てるようになった気がします。
転職すると世界が見える。自分の常識はその会社内だけの常識かも
今私が勤務している会社は、3つめですが、転職を数回してよかったなあと思うことがあります。
会社の常識‡社会の常識ではないということです。
2つの会社までではそうだったことが、3つ目の会社では言われていない。ん?変な感じと感じることができるのです。
ひとつの会社しか知らないと、それが世の中の普通だと思ってしまいます。
転職は、「こういう会社もあればこういう会社もある」ということがわかり、自分の視野も広げられるのです。
さらに本当の意味で会社における自分の立ち位置や、この会社で一生骨をうずめられるか、も含めて客観的にみられるようになります。
今ではこの会社が3つめという転職経験が会社で「なんか変だと思ったら言ってね。僕らこの会社しか知らないから外の意見は聞きたいし」と言われます。
転職は回数が多すぎると「この人は続かない」と思われ、明らかに不利です。
今は終身雇用制の時代でもありません。
人間の幅も広げる意味でも、人生で1回ぐらいは転職してみるのは良いんじゃないかなあと私は思います。