奉子です。先日より私と音楽や楽器演奏に関してのお話はしてきましたが、今日は自分でも「目から鱗」の体験があり、お役立ち情報としてぜひ皆さんにお話ししたいと思います。
やばい!F#の音が出ない!!
始まりは先週火曜日、私はレッスンに備え、自宅でフルートの練習をしておりました。
練習はまずは最初はロングトーン(音だしのウォーミングアップの音階練習)から始まります。
そのときのことでした。F#のところまで来て、F#の音指をしているのに、音がFなのです。
音の高さを変えてみたりしましたが、やはりF#の音は出ません。
え、なんで?? そこで私に嫌な心当たりがよぎります。
「昨日、そういえば頭部管、ぶつけた・・あれかも。ど、どうしよう・・(>_<)私またやってもうたんか・・・(汗)」
私はフルートを2本持っています。20年吹いているものと、5年前に購入したものと2本です。
最近怪我を重ねすぎて、左手小指が以前より動きにくくなり、5年前に購入した楽器では鳴らせる確率が低い音があるのです。
それで仕方なく、曲によって旧楽器で練習していました。
前日の練習時に、楽器を両方使用し、片付けるときに旧楽器の頭部管を新楽器の一部に手が滑ってぶつけたのです。
ぶつけた後の見た目には何の変化もなく安心していたのに・・・・ショック。
仕事帰りに急いで楽器店へ。どうか高額でありませんように
楽器はそのものも値段が高いですが、修理や調整でも結構な額がかかります。
そのため、年1回の楽器店主催の無料調整会に申し込んで、なんとか費用を最小で抑えようと努力します。
自分の不注意で楽器が不調を起こし修理に出す。はっきりいってきちんとしていれば要らない出費です。
私は性格ががさつなので、もの全般をよく壊します。
機械との相性は最悪です。
家では、たとえ私が直接やったことではなくても機械が壊れると「またお前か!」と言われる始末です。
楽器不調がわかった次の日、早速仕事帰りに楽器店に走ります。
しばらくすると、技術者の方が来られ、事情を話すと、楽器を見て一瞬何か触られたんです。
「これで吹いてみてもらえますか」
楽器を渡され、吹いてみると「F#鳴るやん!!え?何が起こったん?壊れていたの気のせいやったん?」と感じるぐらいの速さ。
聞いてみると「キーにかかっているバネが1カ所外れていたんです。これ、掃除しててもよく外れるもので、よくあるんです。それかけただけです。これで様子見てください。大丈夫だと思います」
さすが、技術者です。すごいです!!
素人にはわからないが、技術者の方には簡単なこと。だったようで、なんと修理費も無料でした!万歳!
ダメ元で聞いてみよう。カスタマイズ依頼
先に触れたように、最近左手小指の調子が悪い私。高音のE♭が本当に鳴らないのです。
技術者の方を待っている間に、ある考えがよぎります。
「そういえば、昔アルトリコーダー改造してもらったやん。フルートできひんのやろうか・・・?」
実は私は中学の音楽の授業で習う「アルトリコーダー」の左手薬指の穴をどうしても塞ぐことが出来ず、楽器店に持ち込んで穴の位置を変えてもらった経験があります。
少し音程は下がりましたが、それっぽい音は鳴り、授業を無事にこなすことが出来たのです。
そのことを思い出したんです。
実は値段によって構造が違う。フルート。
ここでフルートの写真をお見せします。
実はフルート、手頃な値段のものと高額なものとでは造りが違うのです。
本当は高額な方の楽器は「リングキー」で、デフォルトでキーに穴が空いているのですが、私は障害で、押さえることが出来ないので、わざと別部品で穴を塞いでおります。
リングキーの楽器はちょうど、このページのトップのフルート画像をご覧ください。
<まずは私が20年吹いた楽器>
<次に5年前に購入した高価格楽器> 写真が別日に撮ったもので、変なもの入ってますが、すみません。
同じように上から撮った写真なのですが、赤丸の部分を見てください。
手頃な値段の楽器のキーは、少し斜め下向きになっているのに対し、高価格はまっすぐ垂直なのがおわかりでしょうか?
つまり、高い楽器の方がより肘を上に引き上げた上で、上から押さないと上手く押さえられないのです。
過去数回の骨折や、数多くの転倒を重ねた私の左手は、薬指と小指の間が離れてしまい、自分の力で薬指側に指を引き寄せることが難しくなっています。
そのため、旧の楽器ではなんとかこの羽のようなところに左手小指が乗るのですが、新しい方では羽の上に上手く小指が乗らず、曲を吹いているとこのキーひとつだけで音を鳴らす、「高音のG#」が鳴らないのです。
技術者の方に事情を話すと、
「キーの角度変えるだけならできるかもです。いつもの感じで持ってみてください」と私の持ち方をチェック。
チェックをしたあと、技術者の方が楽器を持って別室へ。待つこと5分。戻ってこられます。
「これで吹いてもらえますか?」
吹いてみると「えー?全然違う!」
あきらめかけていた小指のキー、押せる確率が高くなりました!
写真でご覧ください。
この羽みたいなキーの角度が少し左に寄って真っ直ぐになったのはおわかりでしょうか?
たったこれだけのことで、私は出せない音が出せるようになったのです。
本当にびっくりました。
技術者の方「これでもしダメなら、この羽の部分にコルクつけるとかして押せる面を広げることも出来ますよ。ただ重くなりますけどね」
そして、私は、この技術料はお支払いする気満々だったんです。
それなのに「これもサービスしときます。キーの角度変えただけなんで」
「えー?良いんですか。本当にここまでしていただいたのに!助かります!!本当にありがとうございます。」
本人の了承が得られれば多少のカスタマイズはしてもらえる場合がある
自宅に帰り、練習してみましたが、高い方の楽器で吹くことをあきらめていた曲が頑張ればいけそう。ぐらいになってきました。
とりあえず、コルクを付けると重くなるのもあるので、これで様子を見ることにしました。
今回行ってわかりましたが、個人の所有物で、本人の了承が得られれば、障害等に合わせた多少のカスタマイズはしていただけるのです。
手の障害で、楽器はできないと思っている方、相談だけしてみてください。
できる方法はあるかもしれません。
神様のいたずら?予定外が幸せな結果に!
私は自分の不注意で楽器をぶつけ、音が鳴らなくなり、予定外の楽器店に行く用事を作ってしまいました。
しかし、終わってみると軽傷でお金もかからなかった上に、慣らせないとあきらめていた音が鳴るようになったのです。
もうこれは神様のいたずら?「楽器店に行け」と仕向けられたようにしか思えません。
とにもかくにも、楽器は当日のうちに戻った上、さらに自分に使いやすくなったなんてとても幸せです。
ドルチェ楽器さん、ありがとうございます。
これからも頑張って練習して、上手くなりたいと思います。