奉子です。今日も私の大学時代のお話しです。
競争率10倍以上の抽選に当選。インターネットとの出会い
1995年、世の中にWindows95という名前の新しいOSが発売され、パソコンが一部のマニアの道具ではなく、誰にでも扱える機器に大きく変化をしました。
私の入学時から大学の図書館にパソコンは数台置いてあったものの、スイッチを入れるとよくわからない暗号が出るので、私には立ち上げることすらできませんでした。
時は1995年4月、私が2回生になったときです。
毎年春になると今年はどの講義を取ろうかと案内を見て悩むのですが、その中にひときわ気になる講義名があります。
「パソコンの授業」でした。
正確な講義名は忘れましたが、とにかく「最新のOSWindows95の操作方法と、インターネット体験、簡単なエクセル操作が1から教えてもらえる講義」だったのです。
「え?あのニュースで話題になっているWindows95を触らせてもらえるの?、めっちゃやってみたい!!」
そう思った私は迷わずその講義受講の申し込みをします。
しかし、私と同じことを考える学生は多いのです。
定員の10倍以上の申し込みがあり、抽選になってしまったのです。
当然くじ運の悪い私は諦めていたんですが・・・
え?私の学籍番号が書いてあるーー(驚)パソコン授業当たったー!やったー!!
競争率10倍以上のものが、当たったのは後にも先にもこれだけでした。
パソコンってめっちゃ楽しいやん!
授業ではもちろん電源の入れ方から教えてもらえます。
ダブルクリックにドラックに右クリック、初めて聞く言葉ばかりです。
先生の教え方もとても丁寧で、そこでインターネットも初めて体験し、PCのメールの送り方も教えてもらいました。
その授業が始まる頃には、私が今まで電源を入れると暗号が出てきたPCも、PCの授業と同様のWindows95になっていました。
講義がない時間は図書館に行き、インターネットを楽しむようになっていました。
最新の流行に全て疎かった私。遅い青春が始まる
自宅ではNHK、時代劇、サスペンス、野球、TVがついでおらず、高校では吹奏楽部だった私は本当に世の中の流行に疎かったのです。
中学や高校の時に流行の歌手の名前やドラマの名前を友達に言われても、全く?でした。
B’z、 ユニコーン、Mr.children、ZARD、101回目のプロポーズ、高校教師、あすなろ白書・・・etc
何にも知りませんでした。
史学科で仲の良かった友達の一人に、B'zが大好きだという友達がいました。
彼女は本当に「B'zって誰?」という私に「こっちの人が稲葉さんで、ボーカル、こっちが松本さんで、ギター弾く人で」と1から教えてくれました。
彼女の好きなB'zの誰でも知っているシングル曲から、他の有名なアーティストの代表曲まで1から教えてもらったのです。
時は1995年。バンドブームのCDが売れに売れた時代
それと当時に「流行の音楽が知りたい」と思った私は、自宅に帰るとFMラジオで音楽を聞くようになります。
さらに、自宅の2階にTVがあったので、夕食を食べ終わると2階に上がり、今まで見たこともなかった「トレンディドラマ」を毎日のように見るようになったのです。
私の青春の始まりでした。
学校から帰るとおやつを食べたら、自分の部屋に行き、ラジオを付けて流行の音楽を聴く。
毎日聞いていると、その中で自分の好きな系統の音楽がだんだん分かってきました。
学校に行くと、B'zを始めとする流行の音楽を、色々教えてくれた友達が待っています。
彼女と一緒に講義の合間でPCを使ってその好きなアーティストのサイトを調べてみようということになりました。
各々が色々見つけてはキャーキャー言っていました。
見つけてしまったFIELD OF VIEWファンサイト。私の運命の扉が開く
毎日TVやラジオを見ていた私は、「輝くときの中で」というタイトルのドラマの主題歌を歌っていた、「FIELD OF VIEW」というバンドのファンになります。
毎日ラジオを聞いているとそのバンドはそのドラマの主題歌「君がいたから」がデビュー曲だということがわかります。
ドラマの主題歌なので、よくリクエストにもかかるのです。
いつもの大学の図書館のパソコンでFIELD OF VIEWと入力すると、いくつかのファンが作ったサイトにぶち当たります。
掲示板形式で、そこに思い思いの言葉を適当に書き込んでいき、自分の気になる他の人の意見を見つけたら、その中で会話をしていったりするのです。
私は2つのFIELD OF VIEWファンサイトに、毎日遊びに行って色々なことを書き込むようになっていきました。
当時のインターネットは超安全
掲示板(BBS)に書き込みするときは、ハンドルネーム(インターネット上の適当な自分の名前)、メールアドレスを入力し、その下に適当に書きたいことを書きます。
ただし、他人の悪口、誹謗中傷はNG。
ネチケット(インターネットを使うためのエチケット、最低限の人としてのルール)は守りましょう。
それが鉄則でした。
インターネットは節度のある大人が使うものでした。
今とは違い、メールアドレスを掲示板の名前欄に書き込んだところで、迷惑メールもウイルスもありません。
0ではありませんが、アダルトサイトにアクセスするとウイルスや悪意のあるメールが届くとされていたため、普通に個人で楽しむ分んは全く影響はありませんでした。
メールアドレスを書き込むことで、「その個人に興味があれば、お互いにメール交換できますよ」という意思表示のようなものでした。
そのファンサイトで、私は多くの顔を知らない色々な地域のFOVファンと友達になりました。
FOVにファンクラブが設立され、ライブも行われるようになり、私はその顔の知らない数々の友達と、ライブ時に会ってお茶したりしました。
同じ関西同士のファンではライブ時ではなく、梅田で皆でランチやお茶をする「オフ会」にも参加したのです。
ただですら大学内で広がった友達の輪は、さらにインターネットへと広がっていきました。
大学を卒業。せっかく友達になったネット仲間と離れたくない。PCを親にねだる
大学でのPCの出会いは、私にとって本当に運命の出会いでした。
たまたま入学した大学で、流行のPCの授業に当選し、インターネットに出会い、友達がまた増えたのです。
大学を卒業してPCがなくなったら、友達ともお別れなんて嫌でした。
当時PCはプリンターも含めて一式そろえるのにデスクトップで30万かかると言われていました。高い買い物です。
実家暮らしの私は、親に頼んで卒業と同時にPCを買ってもらったのです。
「今の時代、PCぐらい触れた方が良いし、家には姉もいるし、仕事にも使える方が役に立つし」というのは名目上で、一番はインターネットがしたかったからです。
私が大学で、どんなに楽しくPCを触っていて交友関係が広がったかはわかっていたので、折れてくれました。
私が初めて掲示板に遊びに来た相手に送った長文メール。運命の出会い
私が大学4年で、もう自宅にPCを持っていたときの時です。
ほぼ毎日行っているFOVファンサイトに、初めての人がやってました。
単にその人は「FOVのこの曲はこのギターがカッコいいですね」的な書き込みだったのです。
しかし、なぜか私は、その書き込みをした人に個人的にメールを送ってみたくなり、記入してあったメアドにメールをしました。
後にも先にも、こういうことをしたのはこれが最初で最後です。
なぜ、掲示板に一度しか来たことのない人物に、いきなりメールを送りたくなったのか、今となっては本当に自分でもよくわかりません。
この私が自分からいきなりメールを送ってしまった人物 この人が後の私の夫になる人です。
その人物から数日後返事が届きます。
数日後、その方からまあ普通のお返事メールが届きます。
少しほっとしました。
実は私自身、なぜかFOVに対する熱い思いとか自己紹介とかとにかく「初めてにしてはちょっと長すぎるメール」をしたため、気にしていたのです。
これは後になって聞いた話ですが、彼はその初めてファンサイトに来た時はそれこそ大学のPC授業の「初めてのインターネット」の時間。
「何でもいいから適当にアクセスしてみましょう」と言われ、そのファンサイトにたまたまたどり着き、なんでメールアドレスを書くのかもわからないまま、メールアドレスも書いたそうです。
次の授業の時にメールを開くと、みんなPC授業の先生からの簡単なメールが届いているのに対し、
「自分だけ 全く知らない相手から 超長文メールが 送りつけられてきているのです」
当然、ドン引きだったそうです。
無視してやろうと思ったけど、やっぱり気の毒だから、「一生懸命考えて返事を書いた」 そうです。
やっぱり、空気の読めなかった私は。引かれていたという話でした。
第一印象最悪だったふたりでも結婚する?運命って本当に不思議です。
のちの夫、Tくんとは本当に他大勢いるFOV仲間のひとりでした。
Tくんは東京在住の大学生。私は京都在住の大学生です。
初めて会ったのは交流を始めてから1年後ぐらい、京都でみんなでオフ会をやったときです。
第一印象もお互いに悪かったのです。
まさかこのときから数年後に、私たちがつきあって、そしてさらに数年後に結婚するなんてお互いに思ってもみませんでした。
正確に言うと、出会って3年で付き合い始め、出会って10年で結婚しました。
私がPCに出会わなければ、流行に目覚め、FOVを好きにならなければ、あり得なかった出会いです。
私と「入学できた大学」「出会った多くの友達」「インターネットの出会い」は本当に本当に運命です。